事故有係数適用期間の概要
事故有係数適用期間というのは、バイクや自動車の任意保険のノンフリート等級による保険料割引の割合を決めるための仕組みです。
任意保険は、基本的に補償内容とノンフリート等級というものによって変わってきます。
ノンフリート等級は簡単に言うと、無事故の状態で自動車に乗っている期間、もしくは保険を使ってきた期間が長くなると等級が上がり、保険料を割り引くという制度です。
事故を起こしてしまうと、等級が一定の規則に従って下げられることになります。
原則として、1年間無事故で過ごすことができれば翌年のノンフリート等級は1つ上がります。
事故を起こした場合、その内容によって1等級ダウン、3等級ダウンとなります。
ノンフリート等級が7等級以上になっている状態で事故を起こして保険金をもらった場合には、この等級ダウンにプラスして事故有係数というものが適用されます。
事故有係数が適用されると、一定期間は同じノンフリート等級の人よりも保険料が高くなってしまいます。
事故有係数適用期間は、1等級ダウンのケースでは1年間適用され、3等級ダウンの場合は3年間の適用となります。
この事故有係数適用期間の制度は、保険料の公平化という目的があります。
たとえば、今まで無事故で頑張ってきて7等級になった人と、11等級から大きな事故を起こして7等級にダウンした人が同じ保険料では不公平になってしまうわけです。
そこで一定期間は事故有係数というものをかけて、同じ等級でも保険料を高くするという考えなのです。
事故有係数適用期間が適用される事例について
具体的に、どのような事例で事故有係数適用期間が加算されるかを考えてみましょう。
たとえば、今まで15等級だった人が加害者として交通事故を起こしたとします。
自分の車だけでなく相手の車も破損させてしまった状況です。
相手のドライバーにむち打ちが残ってしまったため、対人賠償責任保険を使って保険金を支払ってもらいます。
そうなると、ノンフリート等級は3等級下がることになります。
翌年は12等級となりますので、12等級レベルの保険料がベースとなります。
しかし、事故有係数が適用されますので、割引率は下げられて12等級よりも高い保険料となってしまいます。
この状態は3年間続きますので、翌年は13等級、2年後は14等級に上がりますが事故有係数による加算が続きます。
3年間が経過すると事故有係数の適用はなくなりますので、15等級に戻り加算もなくなります。
このように、無事故としての15等級に戻れるのは、事故をしてから実質的に4年後ということになるわけです。
これは保険会社を換えても、車を乗り換えても適用され続けます。