電動バイクの回生ブレーキについて

回生ブレーキの仕組み

回生ブレーキとは、ブレーキをかけることで電力を発生させてバッテリーに充電できるブレーキシステムのことです。
通常のブレーキは油圧式で、ホイールに取り付けられたディスク、パッドを押さえつけて摩擦抵抗を発生させることで制動力を作ります。
その際に、摩擦力は熱エネルギーに変換されて放出されます。
そのため、ブレーキを頻繁にかけた後のブレーキは非常に熱くなっているものです。

このように、ブレーキをかけるというのはホイールが回転する力を単になくしているわけではありません。
その力を他のエネルギーに変換しているだけなのです。
従来の油圧ブレーキでは、そのエネルギーは熱として放出されているだけです。
そこで、エネルギーを捨てるのではなく有効活用できないかと考えられたのが回生ブレーキです。

回生ブレーキは、動力として使っているモーターとつながっています。
モーターは動力して使うのと逆の動きをさせれば、今度は電気を発生する発電機となります。
そこで、ブレーキをかけると自動的にモーターもしくは発電機と接続されて発電がなされるのです。
ホイールの回転力が発電するエネルギーに変換されますので、減速につながるというわけです。
ブレーキもかけられ発電もできて、まさに一石二鳥のシステムと言えるでしょう。

ちなみに、回生ブレーキだけでは急な減速に対応するのは難しいです。
そのため、軽くブレーキをかける時には回生ブレーキのみで、強くかける時には油圧ブレーキとの併用となります。
こうした機構を持っていますので、ブレーキシステムは回生ブレーキと油圧ブレーキの両方を備える必要があります。

回生ブレーキのメリット

回生ブレーキのメリットはやはり、燃費向上につながるということでしょう。
通常の充電によって蓄えられた電力にプラスして、走行中にも充電がなされることになるからです。
より電動バイクとしての性能を引き上げ、航続距離を伸ばすのに貢献してくれます。

また、回生ブレーキを使うことでブレーキ本体における熱エネルギーへの変換を抑えられます。
その分、ブレーキパッドが熱せられる割合が減ることになります。
下り坂が続く山道などは、ブレーキが熱くなってしまうとダレてブレーキの利きが甘くなって怖い思いをすることがあります。
しかし、回生ブレーキによってこの現象を和らげることが可能となるのです。

回生ブレーキのデメリット

ブレーキシステムが複雑になりますので、コストがかかりバイク本体の価格が上がるというデメリットが生じます。
また、制御システムやパーツの追加などによって重量が重くなるというデメリットも考えられます。
その分マシンの取り回しバランスを考える必要が出てきますし、重量が出ることでの燃費悪化という微妙な問題にもつながります。