バイク保険で盗難までカバーできますか?

バイク保険と車両保険の違い

バイク保険は、事故によって自分がケガをしたり、相手の身体や物に損害を与えた時に補償をするためのものです。
そのため、基本となるのは相手が関係する事故の際に支払われるものとなります。

ただし、それとは別の形で車両保険をかけることもできます。
車両保険というのは、主に自損事故などでバイクそのものに損害があった時に支払いがなされるものです。
つまり、人間ではなくバイクという車両だけが対象となっている保険なのです。
そのため、バイク保険は自分と相手という人、そして相手の物についての損害を対象としているのに対して、車両保険というのは自分のバイクのみを対象としていると言い換えることもできます。

自動車保険の場合、車両保険には盗難のケースでも補償がなされることが多いです。
一方バイクに関する車両保険では、バイクが全損したとか修理が必要になったという時には補償がなされますが、盗難についてはカバーされません。
というのも、バイクは自動車に比べてかなり盗難の事例が多いからです。
盗難までカバーするとなると、保険料が非常に高くなることや、万が一の際の補償をするのが保険会社としても大変になってしまうからです。

そのため、一般的なバイク保険に含まれている車両保険ではなく、完全に別のものとしてバイク盗難保険に入ることになります。
これはバイクの盗難だけを対象とした保険となりますので、事故による損害についての補償は含まれていません。

バイク向けの車両保険は加入するべきなのか?

少なくても盗難をカバーするという目的では、車両保険に入っても意味がありません。
バイク向けの車両保険は、あくまでも修理や全損に対応するためのものです。
実際にどのくらいのバイカーが車両保険に加入しているかというと、2018年における数字では全体の1%ちょっとが入っているという統計が出ています。
全体ではかなり少数派と言えるでしょう。

ここで注意したいのが、補償される額はバイクの時価額によるということです。
つまり購入した時に100万円だったとしても、かなり年数が経つと実質価値としては10万円くらいになってしまいますが、この現在の価値が時価額となります。
そして事故によって全損したとしても、購入時の100万円ではなく、時価額である10万円しか払われることはありません。

同じ原則は修理代金についても適用されます。
修理工場に見積もりを出してもらったら、30万円の費用がかかると言われたとします。
しかし車両保険では時価額が限度となっていますので、実際に修理費30万円がかかるとしても10万円しか保険金は下りないのです。
こうしたことから、新しく時価額が高いバイクなら加入する意味がありますが、古くて時価額が低いなら加入してもあまり意味がないという結論になります。