「全損」「半損」の違いって何ですか?

バイクの全損の基準は?

車両保険で最も保険金の支払いが大きくなるのが、全損と呼ばれる状態です。
これは一般的に3つの基準で判断されているもので、1つ目は事故などによって文字通りバイクが修理不可能なほど壊れてしまった状態になった場合です。
こうなると新しいバイクに買い替える必要がありますので、全損という扱いを受けます。

2つ目は、盗難や災害などによってなくなってしまい、見つけることができないと判断される場合です。
現物が存在しないわけですから、修理不能な状態と同じとみなされます。
ただしバイクの場合、車両保険において盗難は対象とならないため、補償が利かないということは覚えておきましょう。

3つ目は、修理ができるものの、修理見積費用が保険契約で決められている金額よりも大きくなる場合です。
バイクには時価額というものが設定されています。
新品購入時から次第に年数経過と共に価値が下がっていくわけですが、その時点の価値で時価額が決められます。
その時価額よりも修理費用の方が高くつくとなった場合には、全損という扱いになり上限額いっぱいまで支払いがなされるのです。

車両保険の半損とは?

全損に対して、半損と呼ばれる状態のものもあります。
これは事故などによって損傷があるものの、修理が可能な状態だと判断される場合です。
たとえ本人が新しいマシンに買い替えたいと思っても、修理できる状態であれば半損と指定されます。
この場合は、修理費用が支払われることになります。

基本的には修理工場が出した見積もりの価格によって算定され、もし修理が可能な状態でも時価額を超えるようであれば全損となります。
つまり、時価額以内で修理が可能な場合が半損となるとも言うことができます。
見積もり通りの修理費全額が支払われることもあれば、契約によって定められている一定の金額のみが補償されることもあります。

実際の保険の支払いケースは?

実際に保険金が支払われる場合、まずバイクの時価額が算出されます。
その上で、損害金額と保険金額の割合が比較されます。
この割合の数字については、保険会社や商品によって多少の違いがあります。

一例としては、損害金額が保険金額の8割を超えた場合は、全損となり全額支払いがなされるというケースを考えることができます。
もし損害金額が保険金額の50パーセント以下であれば、半損と見なされて修理金額の補償となります。
ただし、時価額が低く修理金額の方が高くなってしまう場合、時価額を上限とした支払いとなります。
これに加え、保険商品によっては実費の他に見舞金が数万円程度支払われることもありますので、実質的には多少高い金額となるケースも見られます。